派遣社員を受け入れる準備

派遣社員はさまざまな職場を渡り歩く人です。新たな職場ですぐにその人が最大限のパフォーマンスを発揮できるようにするためには、職場の環境が重要です。派遣社員を受け入れる企業がそのような環境をつくっていくためには、どうしていけばいいかを探っていきたいと思います。

派遣社員は契約内容の中で条件として設定されていない仕事を担当する必要はありません。派遣会社が派遣社員に伝えている仕事と、派遣先の会社が派遣社員に与える仕事の内容にすれ違いがあった場合、問題が発生してしまうかもしれません。ですから、あらかじめどの仕事を派遣社員に任せるかを明確にしておき、派遣会社と派遣社員としっかり共有しておきましょう。万が一、契約期間内に仕事内容に何かしらの変更があるときは、必ず派遣元の会社に連絡して、派遣社員に伝えてもらうようにしなければいけません。

企業側は、どのような意図があって派遣社員を受け入れるのか、そして派遣社員に求めることは何なのかを事前にきちんと伝えておきましょう。派遣社員側としても、自分が「求められている」ということが感じられれば、自然とやる気が出ますし、結果として企業全体のパフォーマンスが上がることにもつながっていきます。

派遣されてきたばかりの社員が、仕事のやり方を最初からすべて理解できるわけではないのは当たり前のことです。右も左もわからない状況で、複数の人間からさまざまな指示を出されてしまうと、誰しも混乱してしまいます。なので、派遣社員が現場にある程度なじむまでは、一人だけまとめ役を決めて、その人が一括で指示を出すようにすると良いでしょう。
そしてまとめ役の人は、「簡潔かつ具体的に」指示を出すよう心がけましょう。ただ単に仕事を振るのではなく、いつまでに、どれだけの量をやればいいのかを伝えます。とにかく、混乱させないようにわかりやすくすることが大切です。

どんな職場にも言えることですが、分けへだてなくコミュニケーションを図っていくことは大切です。当然、実務をきちんとこなすことは大事ですが、良い仕事をするためにはその場の空気感がカギになってきます。良い空気感のなかで仕事ができれば生産性もアップし、良好な人間関係はチームとしての結束を高めることにもなります。